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| 月刊 ゴルフ場セミナー 2003年3月号 |
発行:ゴルフダイジェスト社 |
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| 連載コラム グローバル・アイ 第3回 |
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クラブというとゴルファーはゴルフ場を想像し、呑み助は夜の巷のネオン街を連想しがちだが、学生時代を思い返してみると実に多彩なクラブ活動があったように思う。
大きくは体育会系と文化系サークルに分かれていたようだが、ゴルフ自体は両方の意味合いを持つようにも思う。
今回は、忘れていたクラブ活動の原点に出会った話です。
先日知人から誘われて習志野CCコース・マネージャーの遠藤一博氏の講演を
聴いた。主催者は地球ゴルフ倶楽部と言い、ゴルフ作家の故夏坂健氏のファン
クラブである。氏の二回忌に合わせて企画された会費3000円の今回のセミナー
では、会員有志によるジョイス・ウェザレットの著書の和訳なども配られ、
彼らが標榜する「知的ゴルファーたれ」というスローガンそのままに充実した
催しであったと思う。
無論、講師も含め全員が素人(本業では立派な仕事をなさっているはずだが)
なので、中年軍団の学芸会風ではあったが、それさえもメンバーの方々の真摯な
思いを著しているようで、心洗われる思いがした。
夏坂さんの作品を読んだのは10年以上前になると思うが、言い回しの巧みさ
に舌を巻いた記憶がある。しかし同時に、何処かで同じような話を聞いたことが
あるような気がしていた。あるとき英国で毎年発行されるゴルファーズ・
ハンドブックの古い号に全く同じ内容を見つけ、盗作だと思い込んでしまった
のが、私のボタンの掛け違えだったのだ。
考えてみれば、口伝えによって伝承されてきた昔話を独自の解釈を加えて
現代語に翻訳するのはよくある事だし、純文学を気取っている訳でもないの
だから、出典を明記しないといって目くじらを立てるのは間違いだ。
個人的には夏坂さんの作品を高く評価する気にはなれないままだが、日本に
読むゴルフというジャンルを伝えた功績は大きいと思う。余談だが、
夏サ書ケンをもじって作った作者の新作が途絶えた時、柳の下の2匹目の
ドジョウを狙って沢山の物書きが登場したが、未だに彼のような軽妙な語り部が
現れないのは残念である。
もう1つのきっかけは、東京都下のとあるベッドタウンの住人達が独自に
作り上げた倶楽部組織で、各自の所属コースを順番にゲストとしてプレー
するという催しに参加した時だった。関東地方でも5本の指に入る著名な
ゴルフ場をゲストとしてプレーしながら、コースよりもメンバーシップの
あり方に感銘を受け、伝統的な倶楽部ライフの心地よさを実感した1日だった。
お金さえ掛ければ良いコースを造りだす事は物理的には可能かもしれない。
しかし、倶楽部活動はメンバーの知識欲と向上心なくしては硬直し、形骸化
した箱になってしまうだろう。
不幸なことに大多数の日本のゴルフクラブは、本来の意味での倶楽部ライフ
から離れて、巷のネオン街に咲くクラブに近い。だが、ゴルフ愛好者の中から
芽生えてきつつある本質論を、商業的な見地から見た意見だけで突き放しては
ならない。
先に挙げた2つの倶楽部メンバーの行動様式は、コースの内外を問わず驚くほど
酷似していたという事実をぬきにしても、ゴルフの専門家である我々は自らの
襟を正すべきだと思う。我々は、技術革新によってのみ現状打開が可能になる
という幻想に陥りやすいが、古典の発掘や伝統の継承といった非創作活動も
別の意味で立派な本質の追及行為なのだ。
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