株式会社キャトルキャー ゴルフコース設計家 迫田耕(さこたこう)
ホーム
プロフィール
掲載原稿・講演会
週刊コラム
出版物
連絡先
トップページ
月刊 ゴルフ場セミナー 2013年12月号 発行:ゴルフダイジェスト社
連載コラム グローバル・アイ  第131回
 
突然訪れる未来
 今年は夏が長引き、秋を通り越して、一足飛びに冬に突入してしまった印象だ。 その意味から今回は前触れも無く突然訪れる未来についてあれこれ考えて見よう。  最初から極端な事例で恐縮だが、昨年まで居住したハンガリーのオルバン首相の話。

彼は時々現実離れした理想主義をぶち上げてビックリさせてくれるのだが、中でも選挙制度の目標は白眉だと思う。 人間は生れると同時に基本的人権を保障されるべきだ。という考えで、0歳児にも選挙権を与えようというものだ。 当然、赤ん坊の選挙権はしかるべき時期になるまで保護者が代行するのだが、普通選挙や婦人参政権の歴史を考えると、将来は彼の目指す方向に向かって進んでゆくだろう。 何を言いたいかというと、今は突拍子もなく感じても、先を見据えた議論であればその可能性を排除すべきではないということだ。

 次に、何度も書いているが日本は暑く寒いし、雨や雪は多いし、地震や台風は来るし、世界的な自然災害大国だ。 それこそが勤勉で我慢強く、助け合って生きる国民性を育んできた理由だと思う。が、近年科学技術の進歩にも拘らず予測や予報は大きく外れることが多く、不適切な運用や維持管理のずさんさばかりが取りざたされる事件が多い。 この原因を危険に対する想像力の欠如とか、無責任または責任回避とする論調が目立つが、基本的に人間の英知などその程度の物でしかない。という認識を持つべきだ。 また、人類は有史以来実現したことはないが、未来に対して責任を持つ方法の確立が明るい未来への鍵だと思う。

ところが、会社の業績が悪くなったら、その原因を作った前社長の年金を削るような方法はノープレー、ノーエラーの無気力人間が増やすばかりで賛成できず、現在の『やった者勝ち』以上ではない。  さて最後に、ゴルフ業界の未来について諸兄はどのように考えているだろうか?

以下に日本と欧州のゴルフ環境の違いや巷の風潮を基に疑問点を列挙したので、忘年会の話題にでもしてください。

○ メジャートーナメントで日本人男子が優勝する。
○ 飛距離制限を目的とした用具の変更がある。
○ ゴルファーの資格認定制度が創設される。
○ 服装規定に変化がある。
○ ワングリーンが当然と考えられるようになる。
○ 常緑芝のフェアウエーが一般化される。
○ セルフプレー(たぶんこの言い回しは日本独特)が増え、またセグウェイのような一人乗りのカート利用者が増える。
○ ハーフ後に昼食を取らされる習慣がなくなる。
○ クラブハウス内での喫煙と飲酒は禁止される。
○ プロのトーナメントではギャラリー入場が制限され観客は主に放送を観る。放映権での運営になる。
○ 平常営業日はギャラリーの入場も認められる。
○ 機械化が進みキーパーとスタッフ数の合計は十人程度が普通になる。
○ 芝草管理者の国家資格が創設される。
○ フェアウエー・モア等が自動運転になる。
○ ゴルフ場の淘汰が進み現在の半数程度になる。
○ 法人会員が減る、または平日、家族会員が増える。
○ 預託金制度が破綻する。
○ 会員権売買の市場が消滅する。


無理やり18個にしましたが、どのような条件ならこれらの未来に至るのか?逆に今何をすべきなのでしょうか?