株式会社キャトルキャー ゴルフコース設計家 迫田耕(さこたこう)
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月刊 ゴルフ場セミナー 2005年1月号 発行:ゴルフダイジェスト社
連載コラム グローバル・アイ  第24回
 
欧州の年末年始の過ごし方

新年は新しい目標を持って望みたいものだが、ゴルフ界の状況は相変わらず厳しく、更なる努力が必要だ。

この機会に、欧州の倶楽部組織の年末年始の過ごし方も知っておいていただきたい。


欧州ではキリスト教信者が多い為か、それに託けた商業主義の為か判らないが、
師走に入るとクリスマス行事が目白押しで慌しく、落ち着いて仕事ができる状態
ではない。日本の年賀状と同じでクリスマスカードは書かなくてはならないし、
プレゼントも買い込まなくてはならない。殆ど毎日セクション毎のランチかディ
ナーがクリスマス関連の特別メニューで、美味しくもないのに値段ばかり高い。
因みに、七面鳥(ターキー)は普通の庭鶏より大きいのでパーティーの主菜になる
ことが多いが、その名前の由来は鳥自身が泥まみれで汚いのでトルコ人のようだ
という意味から命名されたらしい。随分失礼な話だが伝統的な事例ではよく
ある事だ。

クリスマスのハイライトは、日本では前日のクリスマスイブの晩が一般的だが
欧州では当日(クリスマスデイ)の昼間が重要で、必ず家族で過ごすことになって
いる。ゴルフ倶楽部でも15日前後に会員同士の親睦を図るため、クリスマスデナー
の催しが盛大に行われ、タキシードとドレスで着飾ったメンバー達が、頭に三角
帽子を被り、クラッカーを鳴らしてドンチャン騒ぎをするのが通例だ。

コース内で伐採した大木や、枝打ちをした薪を使って巨大なキャンプファイヤー
を囲み、近隣の子供たちまで参加して花火大会(欧州では冬の花火が一般的)を
挙行する。誰ともなく湧き上がってくる合唱に参加する時が、倶楽部メンバーの
一体感を実感できる瞬間で、疎遠なメンバーとも一気に親しくなれる、素朴だが
とても素敵な催しだ。日本では交通事情もあり、中々実現は難しいだろうが、
その代わりのタウンパーティーを開けばよいと思う。多くのゴルフ場で都会に
営業事務所を持っており、日頃数時間もかけて来場するメンバーの、ささやかな
感謝の気持ちになると思う。

さて年が開けると、倶楽部組織から1月1日時点でのメンバーリストと、行事日程
表が送られてくるのが常識だ2005年の年号と会員氏名会員種別が分かりやすく
表記されたネームタグも同封されているのが普通で、古手のメンバーは幾枚もの
タグをキャディーバッグに付けて、その存在を誇示する風習がある。新人会員は
そのタグを見て、倶楽部内での暗黙の了解事項や、人事動向などの情報を仕入
れようとするのも通例で、老人はそれなりに存在感を示せる場が与えられている。

入会金が安く年会費が高い為か、仕事をリタイヤすると同時に、所属倶楽部を
変わるメンバーも多く、毎年のメンバーリストの公表は倶楽部組織の最優先事項
であるが、会員相互連絡網にも使うので、住所や電話番号などの個人情報も
欠かせない。が、最近著名人などから「載せたくない」と言う要望も増え、困って
いる倶楽部もあると聞く。

セキュリティー対策に万全などと言う言葉はなく、倶楽部メンバーの自意識の
低さを嘆く声も聞かれる一方で、硬派の倶楽部ではメンバーリストに掲載しない
特別の会員種別を作る動きもあるという。この会員権は、当然通常の年会費を
納める義務があるがプレー権は限定され、ハンディキャップは与えられず倶楽
競技の参加資格もない。何やら最近日本で流行っているWEB会員のようだが案外
落とし所かもしれない。